ホスピタリティ

より多くのものをより安くよりよく、多くの人に届ける産業経済は過剰になり同時に限界閾値に達しています。このサービス経済にかわる経済がホスピタリティ経済です。
ー資生堂の福原義春氏の「交換経済に代わるものはなんですか?」の問いに、当時協働研究をしていた研究財団 E.H.E.S.C.の山本哲士氏らが出した答えは、文化資本による複合的な「資本」経営であり、それを可能にする哲学・技術としての<ホスピタリティ> を、経済と環境の相反性を多元均衡へつくりだしていく原理として体系立ててきました。ホスピタリティとは、個々人や文化の多様なちがいがプライベートに 活かされることでパブリックな全体がいきいきと活動する「自己技術の原理」です。 いま、社会は加速度的に代謝しどこでも同じ均質空間になってきています。私たちの生活も長い歴史をもった「場所と文化」という生命的な根を失っていくこと によって、様々な問題を引き起こしています。その一方で、伝統文化のなかにある優れた文化技術は伝承の道を失い消滅しようとしています。私たちは産業社会 の構造の中である便利さ・快適さと豊かさを形成してきましたが、世界の大きな転換の中で、まさに新たな生活環境の地盤をリ・クリエイションしていく時にあります。

ホスピタリティは、人が生き生きとコンビビアルに働きえる場所において、「いまこのときこの場でこの人に」なされるミクロな個別の行為ですが、そこから継続的に文化資本が醸成されていくものとなります。
ジャパンホスピタリティアカデミーは、これらの研究資源と多様な研究者やクリエイター、企業人との協働ワークをもって、日本、欧米、そしてアジア圏の文化的ホスピタリティの原理・技術を究明し、日本固有の<ジャパン・ホスピタリティ>を探究し、創成し、世界へ普遍化し、日本経済・世界経済の希望あるモデルとしてホスピタリティビジネスの開発・形成をいたします。


(2008年2月1日
国際ホスピタリティ・ビジネス会議京都・基調講演「文化資本とホスピタリティ」より/ハイアットリージェンシー京都にて)


福原善春(ふくはら よしはる)

プロフィール
株式会社資生堂 名誉会長。東京都写真美術館館長、企業メセナ協議会会長兼理事長、日本広告主協会会長、 日仏経済人クラブ日本側議長、日伊ビジネスグループ日本側議長、銀座通連合会会長、世界らん展日本大賞組織委員会会長など公職多数。 主な著書に『会社人間社会に生きる』(中央公論社)、『生きることは学ぶこと』(日本文芸社)、『猫と小石とディアギレフ』(集英社)、 『ぼくの複線人生』(岩波書店)ほか。

(2008年4月11日
国際ホスピタリティ・ビジネス会議京都・基調講演「企業の社会的責任(CSR)とホスピタリティ経済」より
/ハイアットリージェンシー京都にて)

(2005年5月27日
日本繊維新聞/21世紀潮流 ホスピタリティが拓く新ビジネス―より)


小林陽太郎(こばやし ようたろう)

プロフィール
元富士ゼロックス株式会社取締役会長。経済同友会終身幹事、国際大学理事長など公職多数。 主な共著に『イノベーションできない人は去りなさい!』(PHP研究所)、『ウォートンスクールの意思決定論』(東洋経済新報社)ほか。

(2007年11月26日
国際ホスピタリティビジネス会議京都・基調シンポジウム 「生涯時間とホスピタリティビジネス」より
/ハイアットリージェンシー京都にて)

(2005年3月25日 日本繊維新聞/21世紀潮流 ホスピタリティが拓く新ビジネス― より)

窪山哲雄(くぼやま てつお)

プロフィール
1948年福岡県生まれ。1971年 慶応義塾大学法学部卒。1975年 米コーネル大学ホテル経営学部卒。 米ヒルトンホテルズ コーポレーション、ホテル ニューオオタニ、東京ベイヒルトンを経て、 91年NHVホテルズインターナショナル(現ハウステンボス事業部)社長。 97年ザ・ウィンザーホテルズ インターナショナルを設立。 主な著書に『図解 クボヤマ流あなたのファンをつくる サービスの教科書』(インデックス・コミュニケーションズ)、 『サービス哲学』(オーエス出版社)、『プロジェクト・ホテル―奇蹟の再生に賭けた男が創るこだわりのリゾートホテル』(小学館)、 『ウィンザーホテル洞爺夢のホテル』(小学館)ほか。

20世紀はサービス・商品中心の経済の時代でした。それが、さまざまなかたちで、産業社会経済の行き詰まりと停滞をもたらしています。 21世紀はホスピタリティ・資本の経済の時代に確実に移行していきます。わたしどもは、 「ホスピタリティ」の哲学・経済を長年にわたって研究しかつそのビジネス化を探求し、いくつかの企業にも提言・貢献してまいりました。 東京会議、ジュネーブ会議、そして京都会議を開催しいろいろな方々からの協力をえて、ビジョンと実際化を創造設計しつつあります。
文化科学高等研究院は、ジュネーブ財団として、学術研究とその文化生産を世界線において産出しております。 それを、実際にビジネスへ役立つ人材の形成と開発をおこなう機関として、国際ホスピタリティ研究センター経て、ホスピタリティアカデミーの体制をつくります。 本質と現実とをしっかりと見直し、新たな事業の可能性を開発してまいります。 時代が変わるとき、学問体系もかわります。文化生産と経済生産とが非分離の述語技術開発、場所経済開発を場所環境=地球環境設計において創造していきます。 新たなホスピタリティ人材の形成、ホスピタリティ事業の開発、ホスピタリティ場所環境市場の開発、ホスピタリティ投資・ファイナンス・マネージメント開発を4大域にして、 さまざまなアクションをおこしていきます。ホスピタリティ資本とホスピタリティ環境の総合的な開発です。
研究者、企業人、クリエーター、場所人、の協働場所としてジャパンホスピタリティアカデミーを稼働させ、ホスピタリティ300企業、ホスピタリティ・プロフェッショナル300人、を形成していきます。
ジェネラルディレクター 山本哲士